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女性ホルモンを整えて肌を綺麗に(Ⅱ)

[2023.02.13]
ストレスを溜め込むと肌荒れの関係は?

 

仕事や家事・育児が忙しい、人間関係が最近うまくいかないなど日常のさまざまなことがストレスの原因となります。
適度なストレスは必要なのですが、溜め込みすぎると体にさまざまな不調をきたし、肌の調子も悪くなります。

 

この記事ではそんなストレスと肌の関係などに関して紹介します。

 

○ストレスで肌が荒れる原因

 

過度なストレスにより、肌が荒れてしまう原因は主に

・自律神経の乱れ

・ホルモンバランスの乱れ

の2つです。

 

◇自律神経の乱れ

人の体はストレスがかかると自律神経の1つである交感神経が活性化します。神経を介して脳に信号がいき、脳が体を緊張状態するために各器官に命令を送ります。体が緊張状態になると、判断力や思考力を高め早く行動が起こせるように脳や筋肉の血管を拡張させ、より多くの血流を送ろうとします。反対に消化管などの血管は収縮してしまうため、血流が低下します。肌も消化管などと同様にストレスがかかると血管が収縮してしまい、血行が悪化します。

 

肌への血流が低下すると、肌に供給される酸素や必要な栄養も低下します。そうなると肌は水分保持能が保てなくなり、乾燥しやすくなります。肌が乾燥するとバリア機能が低下するため、少ない刺激でも炎症を起こしてしまい肌荒れとなります。

 

また、血流低下により肌のターンオーバーも乱れます。肌のターンオーバーが乱れるとメラニンを含んだ肌の細胞が排出されにくくなり、シミやくすみの原因となります。またターンオーバーが乱れることで古い角質が肌の上に溜まり、皮脂と混ざりあって毛穴の詰まりを起こします。この状態を俗に白にきびと呼び、溜まった皮脂や角質でアクネ菌が増殖すると赤ニキビとなります。

 

 

◇ホルモンバランスの乱れ

 

体にストレスがかかると前述したように、脳から体を緊張状態にするための指令が出ます。その指令を受けると、男性ホルモンが通常より多く分泌されます。男性ホルモンは皮脂分泌を増加させる働きがあり、分泌量が増えればその分皮脂も増加します。

 

皮脂の分泌が増加すると、角質と混ざりあって毛穴の詰まりを起こします。また、肌の上の過剰な皮脂の中で菌が増殖してしまい皮膚炎を起こすこともあります。

 

また男性ホルモンの分泌が増加する以外に、通常は周期的に分泌されている女性ホルモンのバランスも乱れてしまいます。そうなると、肌の乾燥やバリア機能の低下、ターンオーバーの乱れを起こし悪循環に陥ってしまいます。

 

どうしてストレスが肌に影響するの?

 

○ストレスを溜めないためには?

 

ストレスを溜め込むと肌状態が悪化する原因を紹介しました。このような症状が出現する前にストレスを解消することで肌荒れを予防することが重要です。ここからは、日常で実践できるストレスを溜め込まない方法や解消方法を紹介します。

 

・十分な睡眠をとる

 

睡眠をとることで、体を緊張状態から解放し疲労を回復させましょう。睡眠不足が続くとそれだけで自律神経やホルモンのバランスが崩れてしまいます。睡眠をつかさどるメラトニンというホルモンは光によって分泌が低下するため、寝る前にスマホをいじることは控えてなるべく部屋を暗くして眠りにつきましょう。

 

・栄養バランスの整った食事をとる

 

ストレスが溜まると甘いものや脂っこいものが食べてくなります。
適量であれば問題ありませんが、食べ過ぎてしまうと体の不調をきたし肌荒れが悪化する可能性があります。ストレスがかかっている時こそ、健康的な食事を心がけましょう。

 

就寝3時間以内に食事をとると、胃腸に負担をかけてしまうため夕食は寝る3時間以上前に食べるようにしてください。

 

・適度な運動をする

 

適度な運動をすることで、体があたたまりリラックス効果をもたらします。
また、代謝も上がるため肌のターンオーバーを正常化する効果もあります。

 

そして運動を行うことでセロトニンというホルモンが分泌されます。
セロトニンは精神状態を安定化させる作用があるため、こちらもストレスの緩和に効果があるでしょう。

 

○ストレスによる肌荒れの対処法

 

ストレスの解消法を紹介しました。
しかし、忙しい現代社会ではどうしてもストレスが溜まってしまい、肌が荒れてしまうこともあるでしょう。
ここからは、そんなストレス性の肌荒れがおこってしまった場合どのようなことに気をつければ良いのかを紹介します。

 

◇ストレスで肌が荒れてしまった時のスキンケアのポイント

 

・肌への刺激をなるべく減らす

ストレス性の肌荒れを起こしているとき、肌はとても敏感な状態になっています。
少しの刺激で肌荒れを起こしかねないため、刺激をできるだけ減らしてあげることが重要です。

 

具体的には

・洗顔やクレンジングの時にゴシゴシこすらない

・保湿と保護に重点をおく

・あたらしいスキンケアアイテムや化粧品を使うことはなるべく避ける

などになります。

 

肌をこすると摩擦が生じて、皮膚に炎症を起こしてしまい肌荒れが悪化します。
少しでもバリア機能を高めるために、普段以上に保湿と保護に重きを置いたスキンケアを心がけましょう。
使用するアイテムも敏感肌用で低刺激なものを選んでください。

 

また、バリア機能が低下している状態で新しいスキンケアアイテムなどを使用すると、かぶれてしまう可能性がいつもより高くなっているため控えた方が良いでしょう。

 

肌が荒れている時は、なるべくさわらずこすらず肌をいたわるようなスキンケアを行いましょう。

 

 

まとめ

 

ストレスと肌荒れの関係について紹介しました。女性は月経の周期によりホルモンバランスが変化し、ストレスでバランスがすぐ崩れてしまいます。それだけでもさらにストレスが溜まりやすくなったり肌が荒れやすくなってしまいます。

 

女性ホルモンのバランスを整えるためにはピルも有効です。月経前症候群のストレスに悩まされている方は一度試してみても良いかもしれません。

 

 

 

著作:藤田悠花 (フジタ ユカ)先生

国公立大学医学部医学科卒業後、医師免許取得。
市中急性期総合病院で研修後、皮膚科の道に行き現在も総合病院で皮膚科診療にあたっている。

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