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ピルの服用について(Ⅱ)

[2023.03.26]
ピルの種類は??



たくさんあります。効果にも若干の違いがあります。

前回お話しした低用量ピルや超低用量ピルが、一般的にピルとされるもので、使用目的は避妊、月経困難症の改善、月経前症候群(PMS)の改善、子宮内膜症の抑制です。

1日1錠を毎日同じ時間に内服することで2.3か月目ころから効果を感じるようになります。

 

ピルには卵胞ホルモンと黄体ホルモンという2種類の女性ホルモンが含まれています。

黄体ホルモンの種類によって第一世代から第四世代に分けられますので、主な商品名と特徴を表にまとめます。

さらに卵胞ホルモンの含有量が35だと低用量、20だと超低用量に分けられます。卵胞ホルモンが少ないほうが静脈血栓症のリスクが少ないと考えられており、超低用量が開発された経緯があります。しかし超低用量でも静脈血栓症のリスクはありますので、注意が必要です。

以下の表ではルナベルULD、ヤーズ、ヤーズフレックスが超低用量ピルになります。

 

ピルはいつまで飲むの?


やめるタイミングは人それぞれ。

ピルは初潮があれば10代でも安全に使用できます。ではいつまで飲み続けるのでしょうか。

ピルを開始して2.3か月で月経困難症やPMSの改善が実感できるようになりますが、良くなったからといって内服をやめると症状は逆戻りします。ピルは可能であれば継続するのがおすすめです。

やめるタイミングは人それぞれで、妊娠を希望したとき、年齢的に閉経に近づいたかなと思ったときなど理由は様々です。例えば30代から内服を開始していて問題なく継続できている場合は40代でも内服は可能です。世界保険機構(WHO)やそのほかの基準でも、40歳以上の未閉経女性には投与による利益は危険性を上回るとされています。ただし静脈血栓症やがんなどほかの疾患に注意しながら継続しましょう。

50歳以上では静脈血栓症のリスクが大幅に上昇するため、わが国では投与できないとされています。閉経の時期は50歳±5歳といわれているので、それに近づいたら主治医と相談していったん中止してみて、月経の様子や更年期症状を見ながら方針を検討するのもよいでしょう。月経があれば何歳でも妊娠の可能性はありますので、避妊目的でピルを内服してる方は主治医と相談しながら子宮内避妊具などほかの方法を検討するのがよいでしょう。

 

ピルで太りますか?



体重が増えたと感じる人は約5%とのデータも。

ピルを飲むと太るかどうか、気になる方は多いと思います。

「低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン」において、ピルと体重増加の因果関係は立証されなかったとしています。

ピルに含まれる卵胞ホルモンや黄体ホルモンには体に水分をためる作用と食用増進作用がありますので、それらにより体重が増えたと感じる人がいるかもしれません。ただし体重増加を感じた人は約5%とのデータもあり、症状が出ても内服から約1.2か月で解消します。食事や生活に気を付けましょう。また黄体ホルモンの種類の違いによりむくみの出現しやすさが違いますので、改善しないむくみがあれば医師と相談しピルの種類を変えるのもよいでしょう。

 

ピル内服中の検診は?

ぜひ受けてください。

内服中には症状がなくとも、血圧測定、子宮頸がん検診や乳がん検診を行いましょう。肝機能などをチェックするために採血を行うこともあります。

 

ピルとがんの関係

ピルには卵巣がんと子宮体がんのリスクを下げる効果があり、内服中止後も約10年にわたりその効果が持続すると言われています。大腸がんリスクも低下することが分かっています。

逆に子宮頸がんと乳がんはリスクが若干上がるとされています。

 

子宮頸がんの原因は性交渉によるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染ですので、ワクチン接種、コンドームで感染予防を行いましょう。検診をきちんと受けていればがんになる前の早期発見、早期治療が十分可能です。また子宮頸がんはピルより喫煙のほうがリスクを上昇させるので、禁煙をしましょう。

 

乳がんリスクとピルについては今まで多くの研究がされているものの、リスクを上げるとか上げないとか定まった見解は出ておらず、多くのガイドラインでは「乳がんリスクを増加させる可能性がある」という解説にとどめています。大切なことは、ピル内服にかかわらず乳房の自己検診を月1回は行い、早期発見に努めましょう。また現在乳がんの治療中の方はピルは内服できません。

 

 

著作:浅野 智子(アサノ サトコ)先生

経歴:平成23年医師免許取得 産婦人科医12年目。
大学病院で初期研修後、市中病院や個人病院で様々な経験を積む。

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